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「映画の四日間 中島貞夫映画ゼミナール」を読んだ

映画の四日間―中島貞夫映画ゼミナール映画の四日間―中島貞夫映画ゼミナール
(1999/05)
中島 貞夫

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者の中島貞夫氏は、ヤクザ映画や時代映画の映画監督、現在74歳、現役の映画監督、巨匠である。

の本は95年に大阪大学文学部での中島貞夫氏の講演をまとめたもの。映像表現とは何か、映画はどのようにしてつくられるのか、撮影・編集・演出の技法を講演時の雰囲気を感じさせるような口語体で書かれている。当時は中島監督の「首領を獲った男」を題材に講演を行っており、本ではシナリオを資料として掲載することで、その穴を埋めている。

象に残った内容をばいくつか。

◆『映像の在り方は映画が確立してきた』
・『現代は映像で満ち満ちている』 ルミエール
・TVをはじめ身の回りの至る所に存在する映像、その根幹には映画の歴史がある。

◆映像の三機能
・「記録性」:主観/客観の2重の問題、切り取った時点で主観を伴うが、フレームの中は客観的。
・「伝達性」:複製可能なメディアであること。デジタル化に伴いその効力はいよいよ大きい。
・「表現性」:それは「やらせ」と同一のもの。
⇒『一から十までウソっぱちで固めあげて、まぎれもない事実を正確に伝えること、それが映画』

◆35mmとハイビジョン
・意外に思うかもしれないが(よく考えると意外でも何でもないが)、ハイビジョンの解像度はせいぜい16mm程度。映画で使用される35mmフィルムにはハイビジョンの数倍の情報量が含まれている。

◆ショット→カット→シーン
・「ショット」:カメラを回し始めてから止めるまでに撮られる映像。ショットの時間は現実の時間と一致している。実時間、実空間の物理的制約をうけるもの。
・「カット」:ショットを分割したもの。カットの時間は現実の時間と一致している。
・「シーン」:カットをつなぎ合わせたもの。シーンの時間は必ずしも現実の時間と一致しているわけではない。時間と空間が構成的に連続したもの。
⇒『時間と空間が限定されたシーンを、どうつないでいくかというのが、映像表現の基本だ』
⇒『時間と空間の飛躍をどう表現するのか』
⇒『同じショットの中でも、力のある部分と、ない部分がある。選ぶのは力のある部分だけ』

◆脚本と演出
・脚本は映像を表現するために用意される言葉。映画においては論理的に明確に表現されるもの。
 ⇔舞台においては身体表現も重要だが、ことばが最も重要。舞台の脚本は文芸作品になりうるが、
映画の脚本はそうではない、とのこと。
・映像のみでは論理性をあらわすことはできない。言葉(脚本)によって論理性を得る。
・映画における演出は、感覚的なもの。映像のために行われること。

・ドラマは言葉ベース。歴史的にみるとラジオドラマが元。それに対して、映画は映像ベース。ドラマと
映画の違いはここにもある。

◆ドキュメンタリー
・ドキュメンタリーでは被写体を作ることはない。被写体を選ぶことがドキュメンタリーのすべてである。


***

の本の導入には、私たちの周りには映像があふれていること、そしてその成り立ちは映画にさかのぼれるということ。現代と切り離せない映像表現を映画を通してみつめることは、現代を見つめることにつながる、そのように書いてある。

代においては単に映像だけでなく、様々なメディアが複雑に存在している。冒頭に触れられている映像の三機能(記録性、伝達性、表現性)。それは、もはや映像だけのものではなくなっている。TVも勿論そうだが、webの発達によって、あらゆる所に表現(それは、記録も伝達も伴う)が氾濫している。

画の技法を知ることは映像表現のみならずそのようなあらゆるメディアに対する、批判的な視点を与えてくれるのではないか。
主観と客観の問題、表現とやらせの問題、問題をはらみながら目指す方向(『一から十までウソっぱちで固めあげて、まぎれもない事実を正確に伝えること、それが映画』)、言葉と映像の差。
写真にしろ、動画にしろ、脚本(論理性)と演出(感覚)によって、何かを伝えることができるとすれば、その裏側にある脚本と演出の在り方を見つめることは、それによって伝えられる何かが、どのくらい信頼できるものなのかということを自らが判断する際の手がかりになりうる。あるいは、自発的に自分が何かを見せるとき、本当に伝えたいことを伝えるためにも大切なことだ。

事を見る力、物事を語る力、そのとっかかりがそこにはあり、情報過多なこの現代社会において、批判性は個人が生きるために必要なチカラだと思う。

<参考website>
Wikipedia 中島貞夫

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